健康診断や血液検査で「リウマチ因子が陽性です」と言われ、不安になって受診される方がいます。

リウマチ因子は、関節リウマチを疑う大切な手がかりのひとつです。

しかし、リウマチ因子が陽性だからといって、必ず関節リウマチというわけではありません。

反対に、リウマチ因子が陰性でも、関節リウマチを完全に否定できるわけではありません。

診断では、リウマチ因子の値だけでなく、関節の腫れや痛み、朝のこわばり、抗CCP抗体、炎症反応、画像検査などを総合して判断します。

リウマチ因子とは

リウマチ因子は、血液中にみられる自己抗体の一種です。

関節リウマチの患者さんで陽性になることが多いため、診断の参考になります。

ただし、リウマチ因子は関節リウマチだけに特異的な検査ではありません。

他の膠原病、慢性感染症、肝疾患、加齢などでも陽性になることがあります。

リウマチ因子の値が高いほど可能性は上がります

リウマチ因子は、陽性か陰性かだけでなく、どのくらい高いかも重要です。

2010年ACR/EULAR関節リウマチ分類基準では、リウマチ因子または抗CCP抗体について、正常上限を超える「低陽性」と、正常上限の3倍を超える「高陽性」を分けて評価します。

リウマチ因子の結果関節リウマチの可能性の考え方注意点
陰性関節リウマチの可能性は下がります陰性でも関節リウマチの方はいます。症状があれば評価が必要です
低陽性関節リウマチの可能性はあります他の病気や体質でも陽性になることがあります
高陽性関節リウマチの可能性がより高くなります抗CCP抗体、関節腫脹、炎症反応と合わせて判断します

検査会社や施設によって基準値が異なるため、具体的な数値は検査結果の基準範囲と合わせて確認します。

リウマチ因子が陽性になる関節リウマチ以外の病気

リウマチ因子は、関節リウマチ以外でも陽性になることがあります。

分類リウマチ因子が陽性になることがある例
膠原病・自己免疫疾患シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、強皮症など
慢性感染症C型肝炎、B型肝炎、感染性心内膜炎、結核など
肝疾患慢性肝炎、肝硬変など
呼吸器疾患間質性肺炎、慢性肺疾患など
血液疾患・その他一部のリンパ増殖性疾患、クリオグロブリン血症など
病気ではない場合高齢者、明らかな症状がない方でも陽性となることがあります

そのため、リウマチ因子陽性だけで自己判断するのではなく、症状や他の検査結果と合わせて確認することが大切です。

関節リウマチ分類基準ではどう評価するか

関節リウマチの分類には、2010年ACR/EULAR分類基準が広く使われています。

この基準は、少なくとも1つ以上の関節に明らかな腫れがあり、他の病気では説明しにくい場合に、点数で評価します。

合計6点以上で関節リウマチに分類されます。

評価項目内容点数
関節の数と部位1大関節0
2〜10大関節1
1〜3小関節2
4〜10小関節3
10関節超、うち少なくとも1つは小関節5
血清反応リウマチ因子・抗CCP抗体とも陰性0
リウマチ因子または抗CCP抗体が低陽性2
リウマチ因子または抗CCP抗体が高陽性3
炎症反応CRPまたは赤沈が正常0
CRPまたは赤沈が異常1
症状の持続期間6週未満0
6週以上1

この基準は診断を助けるための目安ですが、実際の診断では医師の診察、超音波検査、レントゲン、他の病気の除外も重要です。

抗CCP抗体も重要です

関節リウマチを疑う場合、リウマチ因子だけでなく抗CCP抗体も確認します。

抗CCP抗体は、関節リウマチに比較的特異性が高い検査です。

リウマチ因子と抗CCP抗体の両方が陽性で、関節の腫れや朝のこわばりがある場合は、関節リウマチの可能性が高くなります。

一方で、抗CCP抗体が陰性でも関節リウマチの方はいます。検査だけで決めつけず、症状と診察所見を合わせて判断します。

このような症状があれば早めにご相談ください

リウマチ因子が陽性で、以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 手指、手首、足趾の関節が腫れている
  • 関節の痛みが左右対称に出ている
  • 朝のこわばりが30分以上続く
  • 起床時に手が握りにくい
  • 関節の腫れや痛みが6週間以上続いている
  • 複数の関節が同時に痛む
  • 指輪が入りにくくなった
  • 足の指の付け根が痛く、歩きにくい
  • 微熱、倦怠感、体重減少を伴う

関節リウマチは、早い段階で診断し治療を始めることで、関節破壊を防ぎやすくなります。

「検査でリウマチ因子が陽性だったが、どう考えればよいか分からない」という場合もご相談ください。

豊川医院での診療について

豊川医院では、リウマチ因子陽性の方、関節リウマチが心配な方、関節の腫れや痛みが続く方の相談に対応しています。

必要に応じて、抗CCP抗体、炎症反応、画像検査などを組み合わせて評価します。

リウマチ因子の結果だけで不安を抱え込まず、症状や検査結果を一緒に確認しながら、今後の方針を考えていきましょう。

本記事について

本記事は、リウマチ因子と関節リウマチに関する一般的な情報をまとめたものです。

実際の診断は、症状、診察所見、血液検査、画像検査、他の病気の除外を含めて総合的に判断します。検査結果について不安がある方は、診察時にご相談ください。