10月から、新型コロナワクチンの定期接種が始まります。
所沢市では、令和8年度の新型コロナウイルス感染症予防接種として、2026年10月1日から2027年3月31日まで、65歳以上の方などを対象に定期接種が実施されます。
定期接種の対象となるのは、接種時に65歳以上の方、または60歳以上65歳未満で心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に一定の障害がある方です。
定期接種の対象ではない方も、任意接種として接種できる場合があります。
当院では、今シーズンの新型コロナワクチンとして、以下の3種類を導入予定です。
- ファイザー社のコミナティ
- 武田薬品工業株式会社のヌバキソビッド
- Meiji Seika ファルマ株式会社のコスタイベ
いずれも、新型コロナウイルス感染症の重症化予防を目的として使用されるワクチンです。ただし、ワクチンの仕組みや特徴が少しずつ異なります。
当院で扱う3種類のワクチン
| ワクチン名 | 製造販売元 | ワクチンの種類 | 2026/27シーズンの対応株 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| コミナティ | ファイザー社 | mRNAワクチン | オミクロン株 XFG | これまで国内外で広く使用されてきたmRNAワクチンです。接種経験が多く、情報の蓄積が多いことが特徴です。 |
| ヌバキソビッド | 武田薬品工業株式会社 | 組換えタンパクワクチン | オミクロン株 XFG | ウイルスのタンパク質をもとに作られたワクチンです。mRNAワクチン以外を希望される方の選択肢になります。 |
| コスタイベ | Meiji Seika ファルマ株式会社 | レプリコンワクチン、自己増幅型mRNAワクチン | オミクロン株 NB.1.8.1 | mRNAワクチンの一種で、体内の細胞内でmRNAが一時的に複製されるように設計されています。抗体の持続が期待されるワクチンです。 |
3種類のワクチンのイメージ
| 仕組み | 患者さん向けのイメージ |
|---|---|
| コミナティ | 「設計図」を体に届け、体内でスパイクタンパク質の一部を作って免疫をつけるワクチン |
| ヌバキソビッド | あらかじめ作られたスパイクタンパク質を体に届け、免疫をつけるワクチン |
| コスタイベ | 「設計図」が細胞内で一時的に増えるように作られ、少量でも免疫を誘導しやすくするワクチン |
コミナティの特徴
コミナティは、mRNAワクチンです。
mRNAワクチンは、新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク質の設計図となるmRNAを体内に届けます。その情報をもとに体内でスパイクタンパク質の一部が作られ、それに対する免疫が誘導されます。
コミナティは、これまで国内外で広く使用されてきたワクチンであり、接種経験や安全性に関する情報が多く蓄積されています。
2026/27シーズンのコミナティは、オミクロン株XFGに対応したワクチンとして承認されています。今シーズンの流行株をふまえて作られたワクチンです。
コミナティのメリットは、使用経験が多く、医療現場でも扱いに慣れていること、mRNAワクチンとしての有効性・安全性に関するデータが多いことです。
ヌバキソビッドの特徴
ヌバキソビッドは、組換えタンパクワクチンです。
組換えタンパクワクチンは、新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク質をもとに作られたタンパク質を体内に届け、それに対する免疫を誘導するワクチンです。免疫反応を高めるための成分であるアジュバントが加えられています。
このタイプのワクチンは、B型肝炎ワクチンなど、他のワクチンでも使われてきた考え方に近い仕組みです。
2026/27シーズンのヌバキソビッドは、オミクロン株XFGに対応したワクチンとして承認されています。
ヌバキソビッドのメリットは、mRNAワクチンとは異なる仕組みであることです。これまでmRNAワクチンに不安がある方や、組換えタンパクワクチンを希望される方にとって、選択肢の一つになります。
コスタイベの特徴
コスタイベは、レプリコンワクチン、または自己増幅型mRNAワクチンと呼ばれるワクチンです。
レプリコンワクチンはmRNAワクチンの一種ですが、接種されたmRNAが細胞内で一時的に複製されるように設計されています。そのため、従来のmRNAワクチンと比べて、ウイルスのタンパク質が作られる時間が長く、より強い免疫誘導や抗体の持続が期待されています。
「体内で無限にタンパク質が作られるのではないか」「接種した人から周囲にワクチン成分がうつるのではないか」と心配される方もいます。
厚生労働省のQ&Aでは、レプリコンワクチン接種後のmRNAの増幅は一時的なものであり、体内で無限にタンパク質が作られることはないと説明されています。また、接種を受けた方から他の方にワクチン成分が伝播するという科学的知見はないとされています。
2026/27シーズンのコスタイベは、オミクロン株NB.1.8.1に対応したワクチンとして承認されています。
コスタイベのメリットは、自己増幅型mRNAという仕組みにより、免疫の持続が期待される点です。一方で、新しいタイプのワクチンであるため、不安がある方は診察時に遠慮なくご相談ください。
どのワクチンを選べばよいですか?
どのワクチンが「全員にとって一番よい」と一律に決まるわけではありません。
年齢、基礎疾患、これまでの接種歴、副反応の経験、アレルギー歴、希望されるワクチンの種類、在庫状況などをふまえて選ぶことになります。
選び方の目安は次の通りです。
| このような方 | 相談しやすい選択肢 |
|---|---|
| これまでと同じようなmRNAワクチンを希望される方 | コミナティ |
| 使用経験が多いワクチンを希望される方 | コミナティ |
| mRNAワクチン以外の選択肢を希望される方 | ヌバキソビッド |
| 組換えタンパクワクチンを希望される方 | ヌバキソビッド |
| 抗体の持続性を重視して相談したい方 | コスタイベ |
| レプリコンワクチンについて説明を聞いてから判断したい方 | コスタイベについてご相談ください |
ただし、持病やアレルギー歴によっては、注意が必要な場合があります。明らかな発熱がある方、重い急性疾患にかかっている方、ワクチン成分に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方などは、接種できない場合があります。
接種後には、注射部位の痛み、腫れ、発赤、発熱、寒気、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などがみられることがあります。多くは数日以内に改善しますが、強い症状がある場合は医療機関へご相談ください。
また、ワクチンを接種しても新型コロナウイルスに感染することはあります。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化予防の効果が期待されています。
特に高齢の方、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、腎臓病などの基礎疾患がある方、免疫が低下しやすい治療を受けている方では、重症化予防の観点から接種を検討する意味があります。
当院では、コミナティ、ヌバキソビッド、コスタイベの3種類を導入予定です。
それぞれに特徴がありますので、「どれを選べばよいかわからない」「以前の副反応が心配」「レプリコンワクチンについて説明を聞きたい」という方は、予約時または診察時にご相談ください。
ワクチンの入荷状況や在庫状況により、ご希望のワクチンを選べない場合があります。接種をご希望の方は、早めのご相談・ご予約をおすすめします。