「最近、コロナの話をあまり聞かないけれど、今年もワクチンを打った方がよいのでしょうか?」
接種を考える際は、地域の流行状況に加えて、年齢や持病、前回の接種・感染からの期間を確認することが大切です。高齢者や重症化リスクの高い方では、流行が落ち着いている時期にも、重症化予防を目的とした接種を前向きに検討する意義があります。
この記事は、2026年10月6日時点で確認できた公表情報に基づいています。
現在の埼玉県では、コロナは流行している?
埼玉県の最新公表値は、2026年第39週(9月21日~9月27日)の定点当たり2.87人です。174か所の定点医療機関から499人の患者が報告されました。埼玉県の流行情報
県の最新週報に掲載された前週の修正値5.78人と比べると減少しています。ただし、この週は祝日などで診療日数が通常と異なっていた可能性があり、1週間の数字だけで今後の流行を予測することはできません。埼玉県・第39週週報
「定点当たり」とは、報告した医療機関1か所当たりの1週間の患者数です。県民全体の感染確率や、所沢市の個人の感染リスクを直接示す数字ではありません。
現時点で「埼玉県で感染が急増しているから、全員がすぐに接種すべき」とは言えません。一方で、感染の報告は続いており、減少していることと、重症化予防が不要であることは別です。これは県の流行データと、以下のワクチン研究・接種方針を合わせた当院の考え方です。
ワクチンの主な目的は、入院や重症化を減らすこと
ワクチンを接種しても感染することはあります。現在の接種では、特に重症化や入院を防ぐ効果が重要です。過去の接種や感染で得た免疫も時間とともに変化するため、以前に接種した、あるいは感染したという理由だけで、その後の接種の意義がなくなるわけではありません。WHOのワクチン解説
2026年に公表された米国の研究では、2025~2026年シーズンのワクチンを接種した、免疫機能が保たれている成人について、同シーズンのワクチンを接種していない人と比較したコロナ関連入院の予防効果は55%(95%信頼区間41~66%)と推定されました。65歳以上では53%(37~65%)でした。JAMA Network Open・2026年の研究
これは2025年9~12月の米国の観察研究で、入院の解析対象では接種からの期間の中央値は46日でした。「100人中55人が必ず入院を免れる」という意味ではなく、比較した集団間での相対的な効果の推定です。日本の2026年度のワクチンや、すべての方に同じ数字が当てはまるわけではありません。
どのような方が接種を検討するとよい?

| 状況 | 接種を考えるポイント |
|---|---|
| 65歳以上の方、特に高齢の方 | 重症化予防の利益が期待されるため、定期接種を前向きに検討しましょう。 |
| 心臓・肺・腎臓などの病気、糖尿病、重度の肥満などがある方 | 病状や年齢によって重症化リスクが異なります。主治医と接種の必要性を相談しましょう。 |
| 免疫を抑える薬を使用中、がん治療中などの方 | 重症化リスクと治療内容を踏まえて、接種時期も含めて主治医へ相談してください。 |
| 妊娠中の方 | 接種を検討する対象です。産科の主治医などに相談してください。 |
| 若く、持病のない成人 | 重症化の元々のリスクは比較的低いため、感染の機会、接種歴、副反応、本人の希望を踏まえて個別に判断します。 |
WHOの2026年の方針も、重症化リスクの高い方を重視しています。ただし、WHOの推奨対象と、日本の公費による定期接種の対象は同一ではありません。WHO・2026年の接種方針
副反応も含めて判断しましょう
接種後には、接種部位の痛み、発熱、倦怠感、頭痛などが起こることがあります。まれに重いアレルギー反応があり、mRNAワクチンでは心筋炎・心膜炎も報告されています。これらは特に若い男性で相対的に多く報告されているため、年齢・性別や過去の副反応も判断材料になります。厚生労働省・副反応に関するQ&A
以前の接種で重いアレルギー反応や心筋炎などを起こした方は、予約前に医師へご相談ください。接種後に胸の痛みや息苦しさがある場合は、速やかに受診してください。
流行が落ち着いている今、接種時期はどう考える?
流行が大きくなってから接種を考えると、免疫が高まるまでの間に感染することもあります。重症化リスクの高い方は、今後の感染への備えとして、秋の接種を検討するのが合理的です。ただし、県の現在の数字から冬の流行規模を確実に予測することはできません。
最近コロナに感染した方や、直近にワクチンを接種した方は、感染した時期・前回接種日・使用する製剤を確認し、接種時期を相談しましょう。発熱や急性の体調不良がある場合も、回復してからの接種を検討します。
2026年度の日本の定期接種は、原則として65歳以上の方と、60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能に日常生活を極度に制限する程度の障害がある方、またはHIVによる免疫機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方が対象です。国が示す実施期間は10月1日~翌年3月31日ですが、自治体によって異なるため、所沢市などお住まいの自治体の期間と費用をご確認ください。単に持病があるだけで、60~64歳の定期接種対象になるわけではありません。厚生労働省・2026年度の定期接種案内
豊川医院へご相談ください
埼玉県の直近の報告数は減少していますが、接種の必要性は流行の大小だけでは決まりません。特に高齢者や持病のある方では、ご自身の重症化リスクと副反応の可能性を比較して考えることが大切です。
所沢市小手指の豊川医院では、年齢、持病、内服薬、過去の接種歴や感染歴を確認し、コロナワクチン接種についてご相談に対応します。迷っている方は、診察時にお気軽にお尋ねください。