10月に入り、朝晩の冷え込みが気になる季節になりました。「夏より血圧が高い」「朝の血圧が上がってきた」と感じる方はいませんか?
寒くなると血圧が上がりやすくなります。冬本番を迎える前に、家庭での血圧測定と住まいの冷え対策を始めましょう。
なぜ寒いと血圧が上がるのでしょうか?
体は寒さを感じると、熱を逃がさないよう皮膚などの血管を収縮させます。交感神経の働きも加わり、血圧が上がりやすくなります。
日本の住宅を対象とした研究では、断熱改修によって冬の室温が上がり、家庭血圧が低下したことが報告されています。ただし、無作為化された研究ではなく、冷え対策だけで高血圧の治療を代替できるという意味ではありません。住宅の断熱改修と家庭血圧に関する研究
血圧には、寒さのほかに、塩分、睡眠、ストレス、飲酒、薬の飲み忘れなども影響します。高い値が続く場合は、季節のせいと決めつけないことが大切です。
症状がなくても、家庭で血圧を測りましょう
高血圧は自覚症状がないことも多いため、「頭痛がないから大丈夫」とは判断できません。診察室では正常でも、自宅で高い「仮面高血圧」が見つかることもあります。日本高血圧学会・家庭血圧の案内
家庭血圧の正しい測り方

上腕に巻くタイプの血圧計を使い、腕を心臓の高さに支えて測定します。
- 朝:起床後1時間以内に、トイレを済ませ、朝食・降圧薬の服用前に測る。
- 夜:就寝前に測る。
- 測定前:椅子に座って1~2分安静にし、測定中は話さない。
- 毎回:原則2回測り、その平均を記録する。
- 記録:週5日以上を目安に測り、診察時に記録を見せる。
高い値も低い値も残し、都合のよい数字だけを選ばないようにしましょう。測定のために薬の服用を大幅に遅らせる必要はありません。主治医から指示がある場合は、その方法を優先してください。日本高血圧学会・測定方法
血圧がどれくらいなら相談すればよい?
家庭血圧の平均で、上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上が続く場合は、医療機関へ相談する目安です。1回だけの数字で高血圧と診断するわけではありません。日本高血圧学会・家庭血圧の基準
これは高血圧を見つけるための目安であり、治療中の方の目標とは異なります。治療中は135/85未満でも、主治医と決めた目標より高い状態が続けば相談してください。薬は自己判断で増やしたり、中止したりしないでください。
秋から取り入れたい冷え対策
- 起床時は上着や靴下を使い、急に体を冷やさないようにする。
- 寒い日は寝室や居間を暖め、脱衣所・浴室などとの温度差を小さくする。
- 朝の散歩は暖かい服装で、軽い準備運動から始める。
- 汁物や鍋料理は、汁を飲み干さず、塩分のとり過ぎに気をつける。
- 睡眠を確保し、処方された薬を指示どおりに服用する。
室温や服装も血圧と一緒に記録すると、冷え込みとの関係を振り返る手がかりになります。
すぐに対応が必要な場合
胸の痛み、強い息苦しさ、突然の片側の手足の力の入りにくさ、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、血圧の数字にかかわらず119番へ連絡してください。
症状がなくても、上の血圧が180mmHg以上、または下の血圧が120mmHg以上になった場合は、落ち着いて少し間を置いて測り直し、同程度の高値が続くときは速やかに医療機関へ連絡してください。症状がある場合は、測り直しのために救急要請を遅らせないでください。米国心臓協会・著しい血圧上昇への対応
豊川医院へご相談ください
秋から冬にかけての血圧変化に気づくには、家庭での記録が役立ちます。「以前より高くなってきた」「薬を飲んでいても朝だけ高い」という方は、血圧手帳や測定記録をご持参ください。
所沢市小手指の豊川医院では、家庭血圧、持病、内服薬、生活習慣を確認し、一人ひとりに合った血圧管理をご相談します。