大腸がんは、日本人にとって非常に身近ながんのひとつです。
国立がん研究センターの最新統計では、2023年に新たに大腸がんと診断された方は154,039例、2024年に大腸がんで亡くなった方は54,416人と報告されています。
大腸がんは、決してまれながんではありません。
特に40歳代から罹患する人が増えてくるため、40歳を過ぎたら「症状が出てから考える」のではなく、「症状がないうちに検診を受ける」ことが大切です。
早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどないことがあります。
血便、腹痛、便秘や下痢を繰り返す、便が細くなる、排便回数が変わるなどの症状が出た時には、すでに進行している場合もあります。
一方で、早い段階で見つかれば、内視鏡治療や手術などによって治療できる可能性が高くなります。
そのため、大腸がん対策で重要なのは、症状がない時期に検診を受けることです。
大腸がん検診では、一般的に便潜血検査が行われます。
便潜血検査とは、便の中に目では見えない少量の血液が混じっていないかを調べる検査です。
大腸がんや大腸ポリープがあると、便が通る時に病変からわずかに出血することがあります。その出血を検出するのが便潜血検査です。
国立がん研究センターは、40歳から1年に1度、大腸がん検診を受けることを勧めています。
また、便潜血検査は大腸がんによる死亡率を減らす効果が示されている検査であり、科学的根拠のある検診方法とされています。
ここで大切なのは、「便潜血検査で陽性=大腸がん」と決まるわけではない、ということです。
痔や炎症など、がん以外の原因で陽性になることもあります。
しかし、陽性になった場合は、大腸の中で出血が起きている可能性があるため、精密検査を受ける必要があります。
「忙しいから」
「一度だけ陽性だったから」
「痔だと思うから」
このような理由で精密検査を先延ばしにしてしまうと、早期発見の機会を逃してしまうことがあります。
便潜血検査が陽性になった場合は、自己判断で様子を見るのではなく、医療機関で相談してください。
一方で、便潜血検査が陰性でも「絶対に大腸がんがない」と言い切れるわけではありません。
検査には見逃しの可能性もあるため、毎年継続して受けることが重要です。
特に次のような症状がある場合は、検診の結果を待たずに受診をおすすめします。
- 便に血が混じる
- 便秘や下痢を繰り返す
- 便が細くなった
- 排便回数が急に変わった
- 腹痛やお腹の張りが続く
- 貧血を指摘された
- 体重が理由なく減っている
大腸がん検診は、「がんを見つけるため」だけでなく、「大腸がんで亡くなるリスクを下げるため」に行うものです。
検診で異常がなければ、また翌年も検診を受ける。
陽性であれば、きちんと精密検査につなげる。
この流れを毎年続けることが、大腸がんから命を守るためにとても大切です。
豊川医院では、一般内科・総合診療の立場から、健診結果の相談や便潜血陽性後の対応についてもご相談いただけます。
「健診で便潜血陽性と言われた」
「大腸カメラを受けるべきか迷っている」
「家族に大腸がんがいて心配」
「便通の変化が続いている」
このような場合は、放置せず早めにご相談ください。
大腸がんは、早期には症状が出にくいがんです。
だからこそ、40歳を過ぎたら年1回の大腸がん検診を習慣にしていきましょう。