朝晩の空気が冷たくなり、お風呂でゆっくり温まりたくなる季節です。しかし、「熱いお湯に長くつかるほど体によい」とは限りません。

特に高齢の方では、入浴中に意識を失い、浴槽でおぼれる事故に注意が必要です。持病がない方でも起こることがあるため、冬本番を迎える前に入浴習慣を見直しましょう。消費者庁・高齢者の事故予防

「ヒートショック」だけではない、入浴中のリスク

寒い脱衣所や浴室から熱い湯船へ移動すると、血圧が大きく変動することがあります。また、熱いお湯に長くつかると体温が上がり過ぎることもあります。

浴槽から急に立ち上がった際の血圧低下も、めまいや意識障害につながる可能性があります。入浴中の事故をすべて「ヒートショック」と決めつけず、温度差、湯温、時間、立ち上がり方を合わせて考えることが大切です。消費者庁・入浴中の事故に関する説明

入浴前に部屋を暖めて家族に声をかけ、湯温41度以下と入浴10分までを目安にし、飲酒後や長風呂を避けるポイント

1.脱衣所と浴室を、入る前に暖める

服を脱いだときに寒さを感じる日は、脱衣所や浴室をあらかじめ暖め、居間との温度差を小さくしましょう。暖房器具は浴室・脱衣所での使用に適したものを、説明書どおりに使ってください。

2.湯温は41℃以下、つかる時間は10分までが目安

消費者庁は、湯温を41℃以下、湯につかる時間を10分までとすることを目安に挙げています。消費者庁・入浴事故予防の案内

ただし、この範囲なら誰でも安全という意味ではありません。年齢や体調、持病に応じて、さらにぬるめ・短めにしましょう。湯温計や時計を使い、感覚だけに頼らないことも役立ちます。

3.浴槽からは、ゆっくり立ち上がる

湯船から急に立ち上がらず、手すりなどにつかまりながらゆっくり動きましょう。ふらつきを感じたら、無理に歩かず家族などに助けを求めてください。

4.飲酒後や、眠気の強いときは入浴しない

アルコールが残っている状態での入浴は控えましょう。睡眠薬や精神安定剤などを飲んだ後も、注意が必要です。食後すぐ、強い眠気や体調不良があるときも無理をしないでください。

入浴のために、処方薬を自己判断で中止したり、服用時間を変えたりしないでください。服薬と入浴の順序に迷う場合は、医師・薬剤師に相談しましょう。消費者庁の注意事項

5.入る前に、家族へひと声

「今からお風呂に入るね」と家族に伝え、長く戻らないときは確認してもらいましょう。家族も、ときどき声をかけるなどして様子を確認してください。

一人暮らしの方も、体調の悪い日は入浴を控え、必要に応じて家族や支援者と見守り方法を相談しましょう。

万が一、反応がない人を見つけたら

浴槽内で呼びかけても反応がない場合は、直ちに119番へ連絡してください。自分の安全を確保しながら顔を水面から出し、難しい場合は浴槽の栓を抜くなどして、通信指令員の指示に従ってください。埼玉西部消防局・入浴事故の安全対策

豊川医院へご相談ください

「入浴するとふらつく」「お風呂の前後で動悸や息切れがある」などの症状は、寒さや年齢のせいと決めつけずご相談ください。強い胸痛や息苦しさ、意識の異常がある場合は、通常の診察を待たず救急要請が必要です。

所沢市小手指の豊川医院では、持病や内服薬、日常生活の状況を確認し、入浴時の体調変化についてご相談に対応します。秋のうちから、ご家族と一緒に安全な入浴習慣を整えていきましょう。